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CONSTANT / STOCKHAUSEN – SYLVIO GUALDA - パーカッション<シルヴィオ・グァルダの芸術>

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JAPAN 1st Press., Obi, Linernotes. Very RARE.
Cat#: ERA-4002
Genre: Contemporary
ジャケット・コンディション: EX
レコード盤コンディション: EX

試聴音源は、B面のZYKLUS(ツィクルス)の一部です。
<https://audition.undergroundgallery.jp/ERA-4002_STU-70603_Zyklus.mp3>

-----------------ライナーノートより:
3人の新しい音楽家

このレコードの3人の音楽家、S.グァルタ、M. コンスタン、K.シュトックハウゼンは、現代の西欧の音楽を支えている重要な人物たちである。彼らは西欧の各都市で開かれる演奏会をとび歩き、各地の現代音楽祭にはかならずといってよいほど顔をみせている。たとえば私は、1973年の4月、フランス南西のロワイアンとラロッシェルという2つの街の現代音楽祭に出席したが、そこでもこれらの新しい音楽家はめざましく活躍していた。
S.グァルダ(1939年生まれ)という打楽器奏者をはじめて聴いたのは、その第11回ロワイアン現代音楽祭の時である。その時の演奏会は、避暑地のロワイアンの街からすこし離れたタルモンの教会で開かれ、海に面した12世紀のロマネスク教会のなかに、まったく新しい打楽器の音響が響きわたっていた。グァルダは、もう1人の若いフランスの打楽器奏者J.P.ドゥルーとともに、スペインの前衛C. ハルフターの作品にとりくんでいたが、その時の演奏からは、アクロバティックな技法を誇示する打楽器奏者というよりは、そうした高い技術をもちながらも、鋭い感性と知性によってバランスのとれた音楽を作る演奏家という印象をうけた。そしてそれはフランスの 打楽器奏者の最も大きな美点の1つであるといえよう。

オーケストラの指揮者の家に生まれたヴァルダは、パリ音楽院に入学、打楽器のプルミエ・プリを獲得して同校を卒業した。以後くドメーヌ・ミュジカル><ミュジック・ヴィヴァント><シモノヴィッチ合奏団〉などで本格的な打楽器奏者として活躍し、1968年には、28才でパリ・オペラ座管弦楽団の首席打楽器奏者に抜擢され、オーケストラの仕事にも積極的にとりくんでいる。シュトックハウンゼンの<ツィクルス>のフランス初演者でもあるヴァルダは、前衛音楽のスペシャリストであると同時に、より広い音楽性をもった現在最も期待されている打楽器奏者である。

M. コンスタン(1925年生まれ)もまた、その同じロワイアン現代音楽祭に、<アンサンブル・アルス・ノーヴァ>の指揮者としてステージに登場していた。いうまでもな<アルス・ノーヴァン>は、1963年、コンスタンによって創設された現代音楽の演奏団体である。コンスタンがこの団体を設立したのは、現代音楽をパリに定着させるためであったが、もう一つの重要な目的は、このグループによって集団即興演奏》の問題を解決することにあった。当夜の演奏会のプログラムも、こうした演奏家の即興的な想像力の飛翔に訴えかけるような作品がならべられていて興味深くきいた。別の日のイタリアの合奏団くイ・ソリスティ・ヴェネティン>の演奏会では、コンスタンの新作弦楽器(1972年)が初演されたが、 この作品でも、弦楽器群の作る同質的な音響の集合体がストップによって変化されるオルガンの音色の戯れのように、自由にゆらめいて実に新鮮な音楽となっていた。

コンスタンは、フランス人を両親としてルーマニアに生まれ、ブカレスト音楽院とパリ音楽院に学んだ。卒業後はR.ブティなどと協力してと音楽の総合の仕事にとりくみ、また前記の<アルスノーヴァ>を中心にして演奏活動にもかなりの時間をさくなど、幅広く活躍している。1973年には、R.パーマンによって、パリオペラ座の舞踏音楽の監督に指名され、注目をあつめている。

さてK.シュトックハウゼン(1928年生まれ)は、もはや西欧の前衛音楽の大家といってもいいすぎではないようである。前記のロワイアン現代音楽祭とほぼ同時期に、ロワイアンの近くの古い港町ラ・ロッシェルで開かれた第1回現代音楽祭は、シュトックハウゼンをその音楽祭のテーマ作家に選んだ感 さえあった。音楽祭の中心的な会場となった市立劇 場では、写真家B. ペリーネによる<シュトックハウ ゼン写真展〉(!)が開かれ、さらにこの音楽祭の中 軸としてシュトックハウゼンの連続演奏会が開催さ れ、C.カスケルやA. コンタルスキーといった古い仲 間から新しい<直観音楽》のグループまでのシュト ックハウゼン一派の音楽家たちが連日活躍していた。 この音楽祭の主宰者である音楽批評家のC.サミエル に、なぜこうどこでもシュトックハウゼンばかりに 焦点をあてるのか?ときくと、サミエルは、〈シ ュトックハウゼンは現在なおかつ最もアクチュアル な作曲家であるからだが、また、シュトックハウゼ ンの作品を入れないと聴衆があつまらないからでも ある>と答えていた。

シュトックハウゼンの経歴についてはもはや説明 の必要もないが、12音技法、ミュジック・セリエル、 電子音楽、偶然性の音楽・・・・・・といった戦後の音楽の 流れのたえず最尖端を歩いてきた。最近のシュトッ クハウゼンは、1960年代の中ごろで、それまでの西欧の思考絶対の理性的音楽は終ったとし、霊感と直 観による神秘的な新しい音楽こそ次の時代の方向で あると考え、直観音楽〉を主張し、《リエージュの アルファベット》(1972年)その他の作品を発表して いる。

●作品解説
M. コンスタン作曲
《キリストの十字架の道の14の留》 
この作品は、前出のロワイアン現代音楽祭のため に1970年に作曲され、1970年3月23日、同音楽祭で S.グァルダ他のメンバーによって初演された。この 作品の楽器編成は、打楽器と6つの楽器のために> という副題が示しているように、一人の打楽器奏者 のうけもつ92個の打楽器群、それと、電子クラヴサ ンギター・ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・トロンボーンという6つの楽器の小アンサンブルである。ステージの中央に 100個近い打楽器群がおかれ、そ のステージの前方に、6人のアンサンブルが聴衆に 背をむけて座るように指定されている。

作曲者はこの6人のアンサンブルについて、彼ら はコロス(合唱隊)の役割を演じる。つまり彼らは、 打楽器の音色を豊かにするべき遊戯によって、舞台 上の行為に参加しそれを注釈する〉と述べている。 つまりこの作品の主役は、無数の打楽器群の作る多 様な音色であり、それに説明役の小アンサンブルが かさなりあい、きわめて多層化された音楽の宇宙が 作られる。

この作品全体の構成は、タイトルからも明らかな ように、キリストの十字架の道への14の留という題 材にもとづき、キリストの死刑の宣告から埋葬に至るまでの次のような14の情景によっている。1)死刑 の宣告、2)十字架、3)初めて倒れる, 4)聖母、5) シ モン、6)ヴェロニカ、7)再び倒れる、8)女たちへの 慰め、9)三度倒れる、10)衣を剥れる、11)磔刑、12) 死、13)十字架下し、14)埋葬。

この物語に基づく14の楽章が、十字架への道を再 現するという構成で、100個近い打楽器群は楽章ごと に分割されて用いられ、音色の変化が意図されてい る。なおこの作品では、2オクターヴをもつウッド ・ブロック、最低音域の板状の鐘、調律された鈴... などの特殊な楽器もつかわれている。しかし作曲家 自身の言葉によれば、く用いられる音色の多様性にも かかわらず、打楽器群は、1つの楽器として、表現 的な役割をもつ音響のマスとして、あつかわれてい る〉という。


K、シュトックハウゼン
《ツィクルス》
1人の打楽器奏者のための《ツィクルス》は、19 59年のクラニヒシュタイン音楽コンクールの課題曲 として作曲され、同年8月25日 C. カスケルの打楽器 によって初演された。この作品を作曲するにあたっ 「て、シュトックハウゼンは、友人の打楽器奏者カス ケルに、打楽器奏法の細部にわたって相談したとい う。そしてこの初演の後、シュトックハウゼンとカ スケルは、この作品をヨーロッパの各都市で演奏し て話題をあつめた。したがってこの作品は、ある意 味では、シュトックハウゼンとカスケルとの共作と いってもよいだろう。

この作品のタイトルの《ツィクルス》は、この音 楽の本質を適確に表現している。つまりここでは、〈円〉とか〈環〉がきわめて重要な役割をもってい るのである。この作品の楽譜は16ページからなって いるが、その16ページはリング綴じにされており、 演奏家はそのどの頁から始めてもよいと指定されて いる。つまりここには、一定の開始から終結に向っ て進む伝統的な一方通行の形式はなく、作曲家自身 の言葉によれば、〈始めも終りもない〉一種の円運動 が目的とされている。

金属・木・皮の30近い打楽器群は、ステージの上 に円状に配置され、演奏者はその円環の中央に位置 する。そしてそのリング綴じの楽譜を、時計廻りに 読むか反時計廻りに読むかにしたがって、演奏家自 身の位置もその楽器の円環にそって回転することに なる。この作品と円運動や順環運動との関係は、以 上のような作品の全体構成から、さらに音程、音色、 リズム、点と音群の関係など、作品の細部の構造に までおよんでいるのである。

この音楽は、一種の管理された偶然性の音楽であ り、西洋の伝統的な形式と新しい瞬間的な形式を総 合しようとする試みと考えられる。シュトックハウ ゼン自身、1959年のこの作品の分折論文で次のよう に語っている。《ツィクルス》の形式は、一義的な 形式と多義的な形式を和解させようという試みであ ると。この作品は、ダルムシュタット夏期講習の 主宰者、故 W.シュタイネッケに捧げられている。

解説 : 船山隆

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【ジャケット・コンディション一覧表】
CC:CORNER CUT / カット盤 - 角が切り落とされたもの
DH:DRILL HOLE / カット盤 - 丸い穴が開けられたもの
SC:SAW CUT / カット盤 - 細いスジ状のきりこみがはいったもの
WD:WATER DAMAGE / 水濡れ
SS:SEAM SPLIT / 底、縁割れ
RW:RING WEAR / ジャケットにレコード盤の形に沿って円形状に擦れがある
WC:WRITING COVER / ジャケットへの書き込み
SOC:STICKER ON COVER / ジャケットにシールが貼ってある

【レコード盤コンディション一覧表】
S:SEALED / 新品未開封
M:MINT / 開封済み、新品同様のきれいな状態
NM:NEAR MINT / MINTに比べ若干の使用感のある状態
EX:EXCELLENT / 多少の傷、スレあり。音質には支障のない良好の状態
VG:VERY GOOD / 目に見える擦り傷やカビなどにより、プチノイズなど若干音質に問題がある状態
G:GOOD / 頻繁なノイズ音、また音質の劣化のある状態
P:POOR / 針飛びや欠陥などにより再生不能な箇所がある状態

※あくまで中古盤ですので、使用感などございます。
新品同様のコンディションをお求めの方は、ご購入をお控えください。

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