MILLSART (JEFF MILLS)

Every Dog Has Its Day vol.5

Label: AXIS
Cat No: AX-085
Format: 2x12inch
File Under: Techno,Detroit
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3,200円 (会員価格 2,880円)


Millsart名義で届けられるシリーズ第5弾。現時点でのJeff Millsの集大成とも言える大作です。
 Jeff Millsというアーティストについて、デトロイト・テクノのみならず、エレクトリック・ミュージックに造詣のある方々には、もはや説明不必要なほどのパイオニア的存在であるが、近年、若いリスナーの方が増えてきているので、少しばかりのイントロダクションを用意させていただく。
 Mike BanksとともにUnderground Resistance (UR)を立ち上げたのが、1989年(音源の初リリースは1990年)。これによりデトロイト・テクノ第2世代を代表するアーティストとされるが、これ以前にWizard名義にて、すでに中西部では伝説のHip Hop DJであり、実は、そんな彼が参加するということ自体が、初期のURに話題をもたらせた原因でもあるのだ。URとしての活動は、1992年までの実質3年間と短いものであるが、その間、TB-303をFunk全開で炸裂させるアグレッシブなアシッド路線から美しいコード感に溢れた楽曲、そして史上初のJungle Music/Drum’n Base楽曲と言われる(4HERO DEGO談) Amazonを収録した「World 2 World EP」など、濃密な足跡を残している。UR脱退後は、自身のレーベルAXISを立ち上げ、ソロとして活動を開始し、ミニマル・テクノなる世界観を世に放つ。以降、Bellsを始めとするミニマル・テクノ・クラッシクスを数多くリリースし、これらの楽曲は20年以上経った今でも、世界中のフロアでプレイされ続けている。また、常に革新を信条とするJeffは、その後、交響楽団との共演に端を発し、ホルストの「惑星」を独自の解釈で進化させた交響曲のアルバムをリリースさせたり、往年のクラシック映画に独自のサウンド・トラックを加えるプロジェクトに、これまた端を発し、映画音楽を監督するなど、作風だけでなく、フィールド自体を常に拡大し続けている。
 さて、そんなJeff Millsから2020年最初に届いた作品が、今回ご紹介する「Every Dog has Its Day vol.5」。タイトルは『誰でも良い時代がある(やってくる)』という意味の慣用句なのだが、これがvol.5となると、Jeffには、頻繁にそういう良い時代がやってきているのかと思ってしまうが、そんなことはさておき、今作は彼がMillsart名義で2000年から続けるシリーズの最新作である。ダンサブルで、ミニマルな手法ではなく、分かりやすく言うと「綺麗な」音世界が展開されるシリーズで、広い層に好まれる作風だと言える。第5弾となる今作には、彼がこれまでに訪れた様々な経由地(交響曲や映画音楽など)の要素もふんだんに取り込まれていて、最新作故に、Jeff Millsの今を余すことなくパッケージしているように感じるのは私だけではないと思う。
 経由地を語るなら、その前にもちろん出発点があるわけで、少し話を戻すと、Wizard名義で、Hip Hop DJとしてラジオで地域の話題を独占していた頃(この当時の熱心なリスナーに子供時代のEminemや、Kid Rockなどがいる!)、超絶ミックス・スキルを武器に、強烈な社会的メッセージを音楽的に発していたのだが、中でも当時物議を醸していたPublic Enemyの楽曲をモチーフとしたミックスがリスナーのハートを掴んでいた。これを危惧したラジオ曲の経営サイドは、Jeffに「今度、Public Enemyをプレイしたら、即刻クビにするぞ」と圧力をかけてきた。『意義のないことなどやらない。すなわち、自分のすることには意義があるんだ』という強い信念の下、普段よりハードにPublic Enemyミックスをプレイして、自ら局を後にしたという、デトロイトでは今でも語り草になっているエピソード。1980年代以降に生まれた世代には、Hip Hopをラジオでプレイしただけで解雇されるなどと理解できないかもしれないが、当時の「かの自由国家」は、そんな時代だったのだ。そして、そんなJeffの若かりし頃の才能と苦労と挫折から、彼のこの30年余りのキャリアを思い起こすと、「Every Dog has Its Day」というタイトルも、第5弾リリースということも感慨深くはないだろうか。

Track List
A1. Ultimo
A2. Forever And A Day
B1. Big City Fish
B2. Apex The Curve
C1. Sunday
C2. Northwest Of Paradise
D1. The Passenger
D2. Josephine
D3. With

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